参考資料:令和5年6月末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁HPに遷移します)
■目次
- 日本に住んでいる外国人の数は?322万人、総人口の約2.5%、コロナ禍を経て過去最高
1-1.外国人の出身地は?国籍・地域別ランキンキング、不動の1位:中国、2位:ベトナム、3位:韓国、8位にミャンマー浮上
1-2.外国人の居住地は?都道府県別ランキング、1位:東京、2位:愛知、3位:大阪、一都三県で4割
1-3.外国人は日本で何をしている? 在留資格別ランキング「学ぶ」「働く」ともに増加 - 日本で働く外国人の数は?200万人突破、過去最高 【2023年10月末】
2-1.日本で働く外国人、国籍別ランキング、1位:ベトナム、2位:中国、3位:フィリピン
2-2.日本で働く外国人、在留資格・分野別ランキング、1位は専門的・技術分野
2-3.日本で働く外国人、産業・業界別ランキング、1位:製造業、2位サービス業、3位:卸売・小売業
2-4.日本で働く外国人、都道府県別、事業規模別ランキング - 日本に住む外国人、働く外国人の動向は?
1.日本に住んでいる外国人の数は322万人で人口の約2.5%、コロナ禍を経て過去最高値
2023年(令和5年)6月末の出入国在留管理庁の発表によると、日本に住んでいる外国人材は、322万3,858人で日本の総人口の約2%を占めます。2020年の新型コロナウイルス感染症拡大予防措置による新規入国が閉鎖で、一時減少となりましたが、2023年(令和4年)の開国により、2023年(令和4年)12月末時点で、300万人を突破しました。2023年6月末時点で、2023年12月末と比較すると4.8%増加、男性49.9%、女性50.1%の割合となりました。
1-1.外国人の出身地は?国籍・地域別ランキング、不動の1位は中国、2位ベトナム、3位韓国、ミャンマーが8位に浮上
日本に住む外国人の出身国籍・地域は、195(無国籍含む)です。上位10カ国は2023年12月末よりも増加しました。中国は不動の1位、増加する東南アジア勢の中でも、ミャンマーが8位に浮上しました。
1位: 中国 788,495人(+26,932人)
2位: ベトナム 520,154人(+30,842人)
3位: 韓国 411,748人(+436人)
4位: フィリピン 309,943人(+11,203人)
5位:ブラジル 210,563人(+1,133人)
6位:ネパール 156,333人(+16,940人)
7位:インドネシア 122,028人(+23,163人)
8位:ミャンマー 69,613人(+13,374人)
9位:米国 62,425人(+1,621人)
10位: 台湾 60,220人(+2,926人)
1-2.外国人の居住地は? 地域別・都道府県別ランキング、1位東京、2位愛知、3位大阪、一都三県で4割
日本に住む外国人の居住地は下記です。外国人の約4割が一都三県に集中して居住しています。反対に、外国人居住者がもっとも少ないワースト1の都道府県は秋田県ですが、それでも居住者は4,500人を超えており、もはや日本において外国人が居住していない都道府県はありません。
1-3.外国人は日本で何をしている? 在留資格別ランキング、「学ぶ」「働く」ともに増加
日本に住む外国人の多くは「働く」「学ぶ」といった活動が中心です。日本に住んでいる外国人は、日本でどのような活動をするかによって「在留資格」を申請・許可を得て活動をしていますが、その在留資格別のランキングが下記です。
2019年までは、日本で「働く」「学ぶ」ために来日する外国人は毎年増加をしていましたが、2020年・2021年は新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的をした入国制限により減少をしました。しかし、2023年開国後、ふたたび増加に転じました。
働く外国人の在留資格別において、特筆すべき点としては、技能実習制度に変わるべく創設された、単純労働領域で就労できる在留資格「特定技能」が17万人を超えたということです。技能実習生制度は、技能等の移転を目的とした実習という名目ではありましたが、実体としては労働力の確保を目的として利用されており、劣悪な労働環境においても転職ができない等の人権問題もあり、2024年2月、政府は技能実習制度を廃止し「育成就労制度」新設する方針を決定しました。いずれは、在留資格「育成就労」で入国し、一定期間を経て「特定技能」にステップアップをするものと想定されています。(2024年2月27日時点)
2.日本で働く外国人の数は? どこでどんな仕事をしている?令和5年/2023年10月末時点で200万超え、過去最高
参考資料▶厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ/令和5年10月末
日本で働く外国人は、令和5年(2023年)10月末時点で、200万人を超え、過去最高となりました。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降も、働く外国人においては、緩やかに増加をしていました。
2-1.日本で働く外国人の出身は?国籍・地域別ランキング、1位:ベトナム、2位:中国、3位:フィリピン
日本に住む外国人の出身国、1位は中国でしたが、働く外国人の1位はベトナムとなります。これは、令和元年(2020年)に中国を抜き、ベトナムが首位となりました。かつては、中国や韓国などの東アジア、そしてブラジルやペルーなどの日本にルーツをもつて定住者などが上位をしめていましたが、5~6年ほど前から、東南アジア出身者の増加が顕著となり、中でも、ベトナム、ネパール、フィリピン、インドネシア、ミャンマーが大頭しています。
2-2.日本で働く外国人、在留資格別推移は?専門的・技術分野が24.2%、技能実習が20%
日本で働く外国人労働者数は 令和5年(2023年)10 月末時点で、外国人労働者数は 2,048,675 人。雇用事業数は318,775 所で、過去最高値を記録しました。フルタイム・パートタイムなど雇用形態は様々です。
〔オレンジ色のグラフ〕全体の29.1%(595,904人)を占めている「専門的・技術的分野の在留資格」とは、語学力や技術を活用しながら働く外国人が得ている在留資格で、オフィスシーンでみかける外国人や外国料理のシェフなどフルタイムで働いている外国人がこれにあたります。また、経営者や研究者も含まれます。平成31年(2019年)4月に創設された、「特定技能」は、この「専門的・技術的分野の在留資格」に含まれます。595,904人のうち、在留資格「技術・人文知識・国際業務」は366,168人の61%、「特定技能」は138,518人の23%を占めます。
〔黄色のグラフ〕約20.1%(412,501人)を占める「技能実習生」とは、日本で培った技能・技術・知識を母国にもちかえり技能移転をするという国際貢献を趣旨とし来日している外国人が得ている在留資格です。本来は労働が目的ではありませんが、実態は労働力の需給調整の手段として活用されている現状があるだけに、厚生労働省の本調査では「働く外国人」としてカウントされている様です。技能実習生は主に、農林水産業や建築現場、製造業などの現場で活躍しています。
〔ピンク色のグラフ〕 約17.2 %が(352,581人)を占める「資格外活動」とは、在留資格が「留学生」や「家族滞在」の方々が、週28時間以内で就労するパート・アルバイト等を指します。飲食店やコンビニエンスストア等でアルバイトをする外国人は資格外活動に該当する方が多いのではないかと思います。352,581人のうち、「留学生」は、273,777人の77%を占めます。
〔黄緑色のグラフ〕約30.1%(615,934人)を占める「身分に基づく在留資格」とは、「永住者」「定住者」「日本人配偶者等」「永住者の配偶者等」を指します。この在留資格を得ている外国人は、就労制限がありませんので、フルタイムで働いてる方もいれば、アルバイト・パートで働いている方もいるなど、雇用形態も職種も様々です。日本では、この在留資格をもって働く外国人が最も多い状況です。615,934人のうち、「永住者」は371296人の60%、「日本人配偶者」は100,977人の16%、「永住者の配偶者」は18,076人の2.9%、「定住者」は125,585人の20%を占めます。
〔青色のグラフ〕「特定活動」とは、ワーキングホリデーやEPA(看護師など)等を指します。
2-3.どんな業界で働いている?産業・業界別ランキング 1位:製造業 2位:サービス業 3位:卸売・小売り業
日本で働く外国人のはどのような業界で、どのような職種についているのでしょうか?産業別・業種別では、「製造業」が最も多く、全体の 27.0%を占め、対前年増加率をみると「建設業」が 24.1%と急増しています。
2-4.日本で働く外国人はどこで働いている?都道府県別、事業規模別ランキング
日本で働く外国人の都道府県別は、第1位は東京で、542,992 人(外国人労働者数全体の 26.5%)、2位は愛知 210,159 人(全体の10.3%)、3位が大阪府 146,384 人(全体の7.1%)となっています。また、都道府県別の対前年増加率をみると、青森が 28.7%、北海道が 27.4%、秋田が 26.5%となっています。
外国人労働者を雇用する事業所規模別の割合をみると、「30人未満」規模の事業所が最も多く、事業所数全体の36.1%を占めています。
▶なぜ、日本に住む外国人が増えたのか?その理由と背景 ~政策による意図的な増加と自然発生的な増加~
▶働く外国人が増えた理由は?~企業が外国人を雇用する4つの理由~
日本で働く外国人、今後の動向は?
リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症拡大など、日本における外国人の出入国については増減はあるものの、少子高齢社会である日本は、労働力不足・グローバル化・生産性向上という課題に直面しており、外国人材をはじめとする多様性ある人材の活用は必至で、日本で働く外国人は増加するものと思われます。多様性ある人材が活用できる組織づくりは一日にして成らず、トライ&エラーでしっかり組織としての受け入れ態勢・経験値をつんでおくことをオススメ致します。