外国人の就労者数が2017年10月末時点で、過去最高の約128万人を突破、厚生労働省の「外国人雇用状況」によると、外国人労働者数は1,278,670人で、前年同期比18.0%増、との事です。 参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(平成29年10月末現在)
このような雇用状況中、「同僚は外国人!」「上司は外国人!」「部下は外国人!」「お取引先は外国人!」という方も少なくないはずです。また、今は職場に外国人がいなかったとしても、かならず数年以内に訪れるであろう外国人と一緒に働く時がやってきます。
そんな方々のために、独断と偏見ではありますが『外国人と働くことになったら読む本10選』をお届けしたいと思います。
①異文化理解力―相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養(英治出版)
「異文化理解力はこれからのビジネスパーソンにとって必須のスキル」とサブタイトルで書かれているように、これは絶対に読んで頂きたい1冊です。私は、外国人関係のビジネスに関わって7年になりますが、「なぜこの本にもっと早く出会わなかったのだろうか」と悔やまれるほど衝撃をうけた1冊でした。ビジネススクールの教材でも使われている本との事ですので、「10選(10冊)も読んでいられない!」という方は、この1冊だけでも読んで頂ければと思います。 異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 エリン・メイヤー (著), 田岡恵 (監修), 樋口武志 (翻訳) 英治出版
②「すいません」が言えない中国人 「すいません」が教えられない日本人(健康ジャーナル社)
中国人と日本人のための研修テキストとして書かれた本です。日本人がよく使う「すみません」の意味を外国人に対してどう説明をしたらよいか、「迷惑をかけない」とはどういう事なのか、など実際に中国人社員を目の前にした時の実践的な方法が書かれています。日本人にとって当たり前の事を「なぜそうするのか」というところから説明する事はとても困難ですが、この本はその難しさをすんなりと解決してくれる本です。当社、グローバルパワーでは、新入社員の課題図書にしています。タイトルでは「中国人」とありますが、中国の方に限らず通用するノウハウが学べる1冊です。
「すいません」が言えない中国人「すいません」を教えられない日本人-中国人と日本人のための研修テキスト 井上 一幸 (著) 健康ジャーナル社
③新・民族の世界地図(文春新書)
言語・民族・宗教を軸に世界をみる視点を与えてくれる1冊です。世界の人と一緒に働くにあたり、民族の歴史を学んでおいて損はありません。文章は少々難しい為、読書に慣れていない方は読みづらいかもしれませんが、興味がある部分だけをピックアップして読んでみても面白いと思います。新・民族の世界地図(文春新書) 21世紀研究会
④「24のキーワード」でまるわかり!最速でみにつく世界史(アスコム)
様々な国の方と働く際には、その国のなりたちや歴史、背景をしっておくだけでも相互理解が進みます。「でも、世界史は学生時代に学んだ遠い過去のもので記憶が・・・」という方にオススメの1冊です。読みやすい文章で、世界史を文字通り最速でおさらいができる本です。著者独自のコメントも興味深くて楽しめます。「24のキーワード」でまるわかり!最速で身につく世界史 新書ー角田陽一郎 (著) アスコム
⑤地方創生を可能にするまちづくり×インバウンド 成功する「7つの力」 (朝日出版)
訪日外国人観光客、インバウンドビジネスをするにあたっての心構えや事例がかかれた本ですが、外国人社員を受け入れる、一緒に働く、共に会社・社会を担い成長するという事において通ずるものがあり非常に参考になる本です。また、インバウンド市場を知る事で、「なぜ外国人と一緒に働く機会が増えているのか」ということも知る事が出来る一冊です。地方創生を可能にするまちづくり×インバウンド 成功する「7つの力」中村 好明 著 (朝日出版社)
⑥フェルドマン博士の日本経済最新講義(文芸春秋)
タイトルどおり、今の日本経済状況と、課題・解決方法をロバート・アラン・フェルドマンさんが提案されている本です。一見、外国人と一緒に働く事とは関係ない内容に思えますが、⑤と同様に、「なぜ外国人と一緒に働く機会が増えているのか」という背景を知る事ができます。また、外国人と一緒に働くことで日本国と日本組織の課題が見えてくる事も多くあるため、マクロな視点で日本国・日本組織をみる視点を養うという点でオススメの1冊です。フェルドマン博士の日本経済最新講義 ロバート・アラン フェルドマン (著), Robert Alan Feldman (原著) (文藝春秋)
⑦シリコンバレー式 最強の育て方ー人材マネジメントの新しい常識 1on1 ミーティング(かんき出版)
流行りの ” シリコンバレー式 ” のマネジメント手法です。外国人と一緒に働く組織においてもっとも必要なものは、①しっかり向き合ってくれるマネージャーと ②しっかり向き合うという社風を醸成すトップの理念の2つが大事です。(参考記事:【Introduction】外国人雇用企業へのインタビュー GLOBALPOWER #竹内幸一)その、向き合う仕組みである1on1ミーティングのノウハウが学べる本です。外国人を含め多様な価値観をもったメンバーとのコミュニケーションの取り方や具体的な例が紹介されています。離職率が低い企業の特徴の1つは「コミュニケーションがしっかりとれていること」です。離職率でお悩みの方にも参考になる本だと思います。シリコンバレー式 最強の育て方ー人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング 世古詞一 (著)
⑧日本人が世界に誇れる33のこと(あさ出版)
「日本の常識は世界の非常識」「海外からみると日本ってすごい」という事が外国人の視点で書かれている本です。最近(2018年)のメディアでは、「日本ってすごい」「日本の技術はすごい」という番組や記事が沢山ありますが、私が外国人の人材サービス業であるグローバルパワーに入社した2010年は、そのような番組や記事を見かける事がありませんでした。むしろ、当時の世間は「日本ってダメだ」「欧米をもっと見習うべき」という風潮が強く、日本人の私は自尊心を失いかけていた状況でした。その時に出会った本で、グローバル化していく中でも守っていくべき「日本の良さ」と「強み」を教えてくれた1冊です。
日本人が世界に誇れる33のこと ルース・ジャーマン・白石 著 (あさ出版)
⑨驕れる白人と戦うための日本近代史 (文藝春秋)
これは、元アクセンチュア代表の海野惠一氏から薦めて頂いた本なのですが、欧米人の誇りを根底から覆し、日本人の劣等感を打ち破る本として、1989年の国際書籍見本市で大きな話題となったそうです。⑧でも触れたように、私がグローバルパワーに入社した2010年頃、世間では「日本ってダメだ」「欧米をもっと見習うべき」という風潮が強く、日本人の私は自尊心を失いかけていた状況でした。この本も、そんな状況の中に出会った本で、私の日本人としての自尊心をとりもどしてくれた本です。いまでは、欧米の良い文化は積極的に見習い、アジア・日本の良い習慣と文化は残しながらも、日本独自の新しい文化形成ができれば良いと思っています。 驕れる白人と闘うための日本近代史 松原 久子 (著), 田中 敏 (翻訳)(文藝春秋)
⑩聖書
最後の1冊は、世界で最も読まれている本である「聖書」で、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の考え方のベースとなるものです。日本人の多くは、葬式仏教・正月神道・クリスマスキリスト教と言われるように八百万の神で、あまり熱心に1つの神を崇拝する傾向はありませんが、多くの人たちは神を崇拝し、聖書を人生のバイブルとしています。「仕事よりも宗教が大事」という価値観の方が世界には沢山いらっしゃいます。外国人と一緒に働くにあたり、相手の価値観のベースを知るという意味で一読の価値ありだと思います。ただ、紹介しておいて申し訳ありませんが、私は全部読破しておりません・・(涙)簡単によめる聖書もある様なので、挑戦してみたいと思います。 1年で聖書を読破する。 永遠のベストセラー完読法 (Forest Books) この一冊で「聖書」がわかる!: 旧約、新約のあらすじから、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教まで (知的生きかた文庫)
以上、「外国人と働く事になったら読む本10選」でした。
上記以外に、外国人と一緒に働くにあたり参考になる本などあれば、ぜひ教えて頂ければと思います。
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