2022年(令和4年)に改定された最低賃金に関する記事は下記です。
最低賃金が改定 2017年10月
2017年(平成29年度)の最低賃金が厚生労働省から発表されました。発効日は地域で異なりますが、10月中にはすべて適用されます。
採用担当の方は、ホームページの募集掲載、各求人媒体への掲載内容など、すべての募集情報の修正対応が必要ですのでご注意ください。
都道府県別 最高額は東京で958円
各地域別の最低賃金額は下記となります。
(出典:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
最低賃金の計算方法
(1) 時給の場合
設定されている時給が、最低賃金以上であれば問題ありません。
時給≧最低賃金額
例: 時給1000円・東京勤務の場合
時給設定が最低賃金の958円以上の設定になっているので問題ありません。
(2) 日給の場合
日給を1日の労働時間で割り、時給を算出し、その時給が最低賃金以上であれば問題ありません。
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時給)
例: 日給1万5000円・所定労働時間(実働8時間)・東京勤務の場合
15,000円÷実働8時間=1,875円
時給設定が最低賃金の958円以上の設定になっているので問題ありません。
尚、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、日給≧最低賃金額(日額) となりますのでご注意ください。日額が決められている特定(産業別)最低賃金表はこちらです。地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、高い方の最低賃金額が適用されます。
(3) 月給の場合
月給を月の労働時間で割り、時給算出し、その時給が賃金以上であれば問題ありません。
月給÷1ヵ月の平均所定労働時間≧最低賃金額(時給)
例:月給19万円・1か月の平均所定労働時間160時間・東京勤務の場合
月給190,000÷1か月の平均労働時間160時間=時給1187.5円
時給設定が最低賃金の958円以上の設定になっているので問題ありません。
ただし、月給が下記のようになっている場合は計算に注意が必要です。
基本給 120,000円
営業手当 30,000円
時間外手当 35,000円(最低賃金の対象とならない)
通勤手当 5,000円(最低賃金の対象とならない)
合計 190,000円
時間外手当(いわゆる残業代)と通勤手当(交通費)は最低賃金の計算の対象外になりますので、計算はこのようになります。
・合計190,000ー(時間外手当35,000円+通勤手当5,000円)=150,000円
・150,000円÷1か月の平均所定労働時間160時間=937.5円
時給設定が最低賃金の958円以下の設定になってしまうため、賃金設定を改めなくてはなりません。
計算方法など不明な点があれば、都道府県労働局又は最寄りの労働基準監督署にお問い合わせいただくことをお勧めいたします。
外国人労働者にも適用されるのか?
「外国人労働者にも最低賃金が適用されるのですか?」と、よくお問い合わせを頂くのですが、答えは「イエス」です。
外国人であっても、日本国内で就労する限り、労働基準法・労働安全衛生法・最低賃金法などの労働保護法規をはじめ、職業安定法、労働者派遣法、労働組合法などのすべての労働法規が当てはまります。それが、たとえ在留資格などの入管法(出入国管理及び難民認定法)の点で違法な就労だったとしても適用されます。
また、労災等においても同様で、違法な就労であっても休業損害に対する賠償発生しますし、国民保険・厚生年金・健康保険などの社会保険も日本人と同様に適用となります。(※国民健康保険は1年以上の滞在が見込まれるものに適用)
最近、話題の「技能実習生」ですが、比較的 ” 安い労働力 ” のようにイメージされている方も多いのですが、技能実習生も最低賃金が適用され、労働基準法のもとしっかりとした雇用がなされているのです。
まとめ
「最低賃金は外国人労働者にも適用される」という点、ご理解いただけましたでしょうか?最低賃金は年々上昇しており、雇用主にとっては負担も大きくなってまいりますが適正な運営をして頂きたいと思います。では!