ちょっとまった!ワーホリ人材の所得税率、間違っていませんか?

外国人採用・雇用

ワーホリ人材の所得税率にご注意

 2017年10月2日現在、ワーキングホリデー制度がの導入国が19ヶ国となり、年間約1万人がワーキングホリデー査証を取得し、来日しています。外国人雇用をされている企業様は、外国人社員やアルバイトの査証(ビザ)がワーキングホリデーだという事も少なくないでしょう。

そもそもワーキングホリデーとは?

ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。(外務省 ワーキング・ホリデー制度 http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html)

 上記のとおり、ワーキングホリデー人材は、滞在中の資金を補うために就労を認められています。週28時間しか就労できない留学生などと違い、就労時間の制限がありませんので、人手不足のサービス業などにとっては歓迎すべき貴重な労働力となっています。

ワーキングホリデーは「非居住者」

 ワーキングホリデーで来日されている人材は、日本の税法上、「非居住者」に該当します。 非居住者とは 国税庁のHPによると「現在まで引き続き1年以上 ” 居所 ” を有する個人をいい、” 居住者 ” 以外の個人を ” 非居住者”と規定する」とあります。少し表現がわかりにくいですが、要はワーキングホリデーは1年以上の滞在見込みがありませんので、日本に長期滞在する見込みがない人「非居住者」ですよ、という意味合いになります。(国税庁 No.2875 居住者と非居住者の区分 https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2875.htm

 所得税法施行令の14条を確認してみましょう。国内に住所を有する者で居住者」と判断される要件が書かれています。

所得税法施行令14条

第十四条 国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに
     該当する場合には、そのは、国内に住所を有すると推定する。

一 そのが国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする
  職業を有すること。
二 そのが日本の国籍を有し、かつ、そのが国内において生計を一にする
  配偶その他の親族を有することその他国内におけるそのの職業及び
  資産の有無等の状況に照らし、そのが国内において継続して一年以上
  居住するものと推測するに足りる事実があること。

2 前項の規定により国内に住所を有すると推定される個人と生計を一に
  する配偶その他そのの扶養する親族が国内に居住する場合には
  これらのも国内に住所を有すると推定する。


 以上、所得税法施行令第14条に規定される要件から見ても、ワーキングホリデーの方は該当しないため、「居住者」となります。

つまり、ワーキングホリデー人材を雇用した場合、「非居住者」となりますので、「居住者」に該当する通常の労働者とは、所得税率の計算を分けなくてはなりません。

「非居住者」の所得税率は 20.42%

 では、「非居住者」が就労した場合の所得税率は、どのくらいかというと、人的役務の提供事業への対価は 20.42%となります。(国税庁 No.2884 源泉徴収義務者・源泉徴収の税率https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2884.htm) ※2017/10/12現在

所得税法第3条にて、居住者及び非居住者の区分について規定があり、詳細については、所得税法施行令第14条にて規定されています。

ワーキングホリデー人材に「なぜ、私だけこんなに所得税が引かれるの?」「前の職場ではこんなに引かれなかった!」などと、言われる可能性はありますが、ワーキングホリデー19ヶ国の、ワーホリ人材に対する所得税率は、15%~35%で国や時勢により前後する様です。諸外国と比較しても、決して高い税率ではありませんので、しっかり説明をして理解して頂きましょう。

社員採用後は、在留資格の変更を。

 ワーキングホリデー人材の雇用の際、契約社員や正社員など1年以上の長期的な雇用が見込まれる場合は、在留資格の変更をすることをお勧めします。「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格の許可がおりれば、「居住者」となりますので、所得税率を通常の労働者と同様に計算していただく事が可能ですし、ワーホリ人材にとっても、安心して働く事が出来ます。長期的な雇用が成立した場合は、いずれ在留資格の変更をしなくてはならないので、早く変更をしておいて損はないでしょう。

 なお、ワーキングホリデー人材が必ずしも在留資格の変更ができるかどうかは、雇用条件や人材自身の要件によって判断されるので、一度相談される事をお勧めいたします。